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本稿はApache Geronimo v2.0でDB2データソースを構成する方法を示します。Geronimo v1.1のリリースから、Geronimo管理コンソールの接続プール作成ウィザードで複数のJDBCドライバーを選択できます。
このシナリオでは、DB2データベースの接続プールを作成しています。DB2データベースに接続するためには少なくとも2つのドライバーjarファイルを定義する必要があるでしょう。 それは、JDBCドライバー自体と対応するライセンス・ファイルです。選択したJDBCドライバー毎に異なるライセンス・ファイルが必要となります。
ここで示す手順は、サーバにドライバーが未インストール、複数のドライバー・ファイルを必要とするかもしれない、DB2以外のデータソースをデプロイするときにも当てはまります。
本稿では接続プールをデプロイする2通りの方法を提供します。最初に取り組むアプローチはGeronimo管理コンソールを使用するもので、次にコマンド・ライン・オプションの使い方を説明します。
DB2ドライバーをリポジトリーに追加する
DB2ドライバーとライセンスをGeronimoリポジトリーに追加するため、これらのファイルを特定のディレクトリ構造の中に配置する必要があります。通常は2個もしくは3個のファイルをリポジトリーに追加する必要があるでしょう。これらのファイルは、
- db2jcc.jar - これが実際のDB2ユニバーサルJDBCドライバーjarファイルです。
- db2jcc_license_cu.jar - これが標準 DB2 ユニバーサルJDBCドライバーのライセンス・ファイルです。これによりLinux、UNIX、そしてWindows用 DB2 ユニバーサル・データベースへのアクセスが許可されます。
- db2jcc_license_cisuz.jar - これがz/OSとiSeries用の DB2(DB2 ESEとDB2 Connect)JDBC ドライバー・ライセンスです。これは標準ライセンスに加えてこれらのサーバを利用する際に使われるべきです。
これらのファイルは<sqllib_home>\javaディレクトリから取得できます。DB2 JDBCドライバーとライセンスについてのより多くの情報は下記URLからDB2インフォメーションセンターを参照してください。
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/db2luw/v8/topic/com.ibm.db2.udb.doc/ad/t0010264.htm
Geronimoでこれらのファイルを利用するため、以下に示すように名前を変更(コピーして名前変更)する必要があるでしょう。
変更前 | 変更後 |
---|---|
db2jcc.jar | db2jcc-8.1.8.jar |
db2jcc_license_cu.jar | db2jcc_license_cu-8.1.8.jar |
db2jcc_license_cisuz.jar | db2jcc_license_cisuz-8.1.8.jar |
これは、この特定のケースのためにDB2 v8.1.8.806が使われたことを意味します。
この時点で、これらのファイルをGeronimoリポジトリーに追加する準備が整いました。追加する方法は2通りあります。様々なグラフィカルもしくはコマンド・ライン・ツールを使ってこれのファイルをコピーし、必要なディレクトリを作成することもできますし、Geronimo管理コンソールを使いドライバーとライセンスを共有ライブラリに追加することもできます。続いて、2通りの方法を説明していきます。
コマンドラインを使う場合
<geronimo_home>\repositoryディレクトリの中に次に示すディレクトリ構造を作成し、適切なファイルをそれぞれのディレクトリにコピーする必要があります。
com/ibm/db2/db2jcc/8.1.8
このディレクトリに db2jcc-8.1.8.jar をコピーしますcom/ibm/db2/db2jcc_license_cisuz/8.1.8
このディレクトリに db2jcc_license_cisuz-8.1.8.jar をコピーしますcom/ibm/db2/db2jcc_license_cu/8.1.8
このディレクトリに db2jcc_license_cu-8.1.8.jar をコピーします
Geronimo管理コンソールを使う場合
管理コンソールを使うため、Apache Geronimoが起動中でなければなりません。ブラウザで次のURLを参照し、Geronimo管理コンソールにアクセスしてください。
http://localhost:8080/console
ユーザに system 、パスワードに manager を入力し、 Login をクリックしてください。
Common Libs をクリックして、 Repository viewer にアクセスしてください。
参照をクリックして、インストールする最初のファイルを選択してください。今回の場合、最初にdb2jcc-8.1.8.jarをインストールしましょう。
幾つかの値が初期値として設定されるでしょう。Group: に com.ibm.db2 を設定し、それ以外は初期値のままにして、 Install をクリックします。
db2jcc_license_cisuz-8.1.8.jar と db2jcc_license_cisuz-8.1.8.jar についても上の2つの手順を繰返します。
ドライバーとライセンス・ファイルがインストールされたら、新しいデータベース接続プールを作成できます。
Geronimo管理コンソールからウィザードを使ってデータベース接続プールを作成する
Geronimo管理コンソールから Database Pools を選択し、 Using the Geronimo database pool wizard をクリックして新しいプールを作成します。
データベース・プール作成ウィザードのStep 1では、下図に示すようにプール名とデータベース・タイプを入力し、Next をクリックします。
Step 2では、 JDBC Driver Class: 項目は初期値(com.ibm.db2.jcc.DB2Driver)のままにしてください。もし Driver JAR: CTRLとクリックもしくはSHIFTとクリックにより、下図に示すように複数ファイルを選択します。
下図に示したように残りの接続情報を入力します。この例のために、デフォルトの db2admin ユーザとパスワードが使用され、SAMPLE データベースがDB2コントロール・センター経由で作成されています。
Nextをクリックします。
Step 3のオプションは初期値のままにして、Driver Status: Loaded Successfully メッセージを確認します。
Test Connectionをクリックします。DB2に接続した確認メッセージが出力されます。
Deploy をクリックします。Database Pools 内に DB2_ds がリストされます。
コマンドラインからデータベース接続プールをデプロイする
ウィザードの代わりに、手動でデプロイメント・プランを作成することができます。そしてコマンド・ライン版デプロイ・ツールを使ってそれをデプロイします。このオプションを使うため、db2-plan.xmlファイルを作成し、次に示す例をコピーします。
xmlsoliddb2-plan.xml deployment planすぐにこのプランを分析しましょう。 <dep:environment> セクションを見てください。そこにはデプロイされたリソースやコンポーネントを識別する moduleId が見つかります。管理コンソールの中で、 Database Pools の Name カラムに moduleId は表示されます。
moduleIdの直後に依存定義が続きます。このケースでは DB2 JDBC ドライバと2つのライセンスjarに関係する3つの <dep:dependency> ブロックを見つけられます。このプラン内の最後の"大きな"ブロックは <resourceadapter> です。そこにはドライバー、ユーザとパスワード、接続URLなどの接続パラメータが定義されています。
データソースのデプロイ
これまで作成してきた DB2 データソースをデプロイするため、<geronimo_home>\binディレクトリから次のコマンドを実行します。
deploy --user system --password manager deploy <dep_plan_home>\db2-plan.xml ..\repository\org\tranql\tranql-connector-ra\1.3\tranql-connector-ra-1.3.rar
次のメッセージが出力されます。